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膠切れ(にかわぎれ)- ボンド比較

乾燥時期になって、弾くとカチャカチャした音がするようになる故障のひとつに、
「ハンマーの膠(にかわ)切れ」と言うのがあります。
(ただのネジの弛みだったり、原因は他にも考えられるので、
思い当たる症状があるときは調律師をよんで見てもらってくださいね。)

弦を打つハンマーのヘッド部分とシャンク部分の接合箇所の膠切れです。
アップライトピアノでもグランドピアノでも起きます。
大げさに例えて言うなら、
石川 遼君が ぶん とウッドを振り回したときに、
ヘッドが飛んで行っちゃうんじゃないかというよ~な~状態
 ... 大げさ過ぎ(^v^?

ピアノを覗いて
「あそこだけ、接着剤が白いぃ。。。」
というのを見たことのある人もいるのかな?
それは、調律師がきちんと膠切れに対応してくれた証です。(^-^)

でも、案外ネットにその様子は出ていないようですし、
自分の覚え書きのためにも書き留めておくことにします。
手慣れた作業じゃないし、
修理うまい! とか言う話じゃないどころか、
下手さを披露するのでかなり恥ずかしいけど...。

内容の大筋は、
・シャンク抜き
・接着剤の比較
です。(^-^)

まずは、実験のために用意したもの。
1212ボンド比較1
捨て部品のハンマー3本をお手製モデル台に乗せたもの。
実験には必需品。
ヤーンのグランド用シャンク抜き工具。
比較検討する接着剤3種類。
ほか。

*膠切れ修理の最初のハードルは、接着剤が切れているとはいえまだ接着されているヘッドとシャンクを、ハンマーウッドを壊したり、シャンクを折ったりすることなく(!?)分離させる作業。
1212ボンド比較2シャンク抜き
蒸気やコテなどを使い接合部分を暖めて接着剤をゆるませ、
さらに工具を使って丁寧にヘッドからシャンクを押し抜く。

後、見目良く仕上げるために、
残った接着剤をきれいに剥がすなり、削ぎ落とすなりする。
*膠は刃物などを当ててかちっ、ぽろっと取れますが、他のは暖まったところである程度手でむにゅ~っと取り除き、後、ヤスリなどかけるといいかも。
穴の中も丸ヤスリをかけて、接着剤の残りがないようにする。
した所。
1212ボンド比較3

シャンクをモデル台(アクションのつもり)に戻し、
左右のシャンクの並びで間隔を揃える。

接着剤を付ける前にヘッドをはめてみて、仕上がりをイメージする。

次! 接着剤の比較!! (^o^)
1212ボンド比較4 1212ボンド比較5 1212ボンド比較6 1212ボンド比較7
茶色:タイトボンド/リキッド・ハイド・グルー。
< Titebond liquid hide glue >
これは「膠」です。湯煎しないでそのまま携帯、使用できる優れものです。
クリーム色:同じくタイトボンドの普通の木工用ボンド。
白:子供の時から馴染みのある普通の木工用ボンド。

注意点は、接着剤硬化時間が、茶色、クリーム色、白の順で長いです。
白は、サクサク作業しないと、ハンマーが曲がったまま接着完了しかねません。
(経験者は語る。る。る。)

そして、今回なぜ実験までして修理に躊躇していたかと言うと、
膠切れを起こしたのがスタインウェイだったから。

はい、びびってました。(. .?

しかも、透き通った琥珀のような膠が88個並んで見えるハンマーの列に、
いつもの白ボンドで修理したものが燦然と輝いちゃって良いのかどうか、
悩んでしまいました。

でも、本物の膠を鍋で湯煎しながらお客様宅で修理するなんて出来ない。
それで、茶色タイトボンドの情報を得て入手してみたわけです。
「これは、膠だから。」と。
コンサート前とは違うので、硬化時間がかかってもいいし。

で、写真の比較実験...というほどでもないか。(^v^;
色は確かに茶色のが遜色ないかもしれない。
が、しかし、硬化時間の長さがもろに粘性に表れてます。(>_<)
湯煎膠なら粘性もコントロールできると思うのですが、いかんせん...。

飛び火した接着剤で鍵盤を押しても弾けない!?!?
な~んてことになりかねない!
(いや、それはならんだろ~な~)
実際の所、
垂れたボンドで要らぬ用事を増やすのは避けたい。

結論。
町の調律師が使うなら、白ボンド!!
ハンマー付けには、白ボンド!!

作業には手元に濡れ雑巾をお忘れなく。(^v^)
(余分な白ボンドは指で拭って雑巾で拭き拭き。)

そして、今日、スタインウェイの膠切れ修理も完了してきました。
1212にかわ切れ1
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ジャンル : 音楽

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ただいま14階のベランダでバラを育てています。
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