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手紙「ピアノのこと」

最近、養護・介護施設にピアノが寄贈されることが多くなり、
新しい施設に出向くことも増えております。
ピアノのセカンドライフもここでなら! 
施設の皆さん、ボランティアの演奏家の皆さんも、
いろいろなピアノを使った企画が浮かんで夢が膨らむことと思います。

そこで、調律師から
ピアノになり変わり「ピアノのこと」というお手紙をお送りします。
<ピアノのこと>

 この度は、ピアノを設置してくださりありがとうございます。どんなふうに活用しようか夢の膨らむことでしょう。そこで、今後管理保管されるピアノについてご理解頂きたい点を述べさせて下さい。

 みなさんもご存じの通り、襖などの立て付けの変化や、真夏に線路が伸びるなど、木材と金属は夏と冬で状態が変わります。ピアノはそのほとんどが木材と金属から作られています。ゆえに楽器が膨張収縮をするのです。調律師は、それまでの使用状況などにより変化した楽器の状態を、伺った時の温度湿度などの元で標準な姿に修正します。そして修正後から日々刻々とピアノは変化を繰り返すのです。(ピアノをごろごろ移動させる振動も、弦の張力に影響を及ぼすことがあります)

 皆さんがテレビやCD、コンサートなどで耳にするピアノの音は、きっとそれこそ心の琴線をふるわす素敵な音がするでしょう。これは録画や録音、コンサートの直前に、その日のための調律をしているからなのです。でも普通のお宅や音楽教室などでは、レッスンごとに調律をするのは不可能、かつ非現実的です。そうすると、「あら? 今日のピアノ、この音がヘンだわ...?」「昨日から雨が降り続いて、少し鍵盤がもたつくようね。」ということが起こります。

 おそらくいろいろな方がみえてピアノをご活用くださることでしょう。耳のいい方からの音の変化のご指摘もあるかと思います。そんなときは臆せず「管理保管上の調律はしているが、調律後でなければ365日ベストな状態というわけにいかないピアノの特性からその点はご理解ください。」と、ご説明をお願いいたします。

 以上の理由により、コンサートなどの企画がありましたら是非当日調律されることをお勧めいたします。もしそういった企画が頻繁でないときは、1年に2度の保守管理調律をなさると良いと思います。
 蛇足ながら、公共の施設にあるピアノの調律料金は、保守管理では施設が、企画時では企画主催者が負担される所がほとんどです。

 今後、調律時には通常の修正作業をしてまいりますが、数年に一度、全体調整のご提案をすることもあるかと思います。これも楽器の経年変化の修正を行うものですので、時期がきましたら別途ご説明等申し上げます。

 ご拝読賜り、感謝いたします。末筆ながら、このピアノが音楽の響く空間の一助となりますようお祈り申し上げます。

2006年8月吉日

スタインウェイ会会員
調律師  倉田恭子
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